こんにちは。ひとりサロン部の林です。
美容師になってから、ずっと「もっと上手くなりたい」と思ってきました。アシスタントの頃から、上手くなることが正義のような空気の中で育ちましたし、今も技術を磨き続けたい気持ちは変わりません。
ただ最近、「美容師の上手さって、結局何だろう」と考えるようになりました。
美容師全体の平均点は、かなり上がっている
昔は、はっきりと技術差が分かる時代があったのだと思います。でも今は、情報も道具も教育も豊富です。SNSを開けば上手な技術をすぐに見られ、全国の美容師が新しい方法を共有しています。
料理で考えると分かりやすいかもしれません。今は安いレトルトカレーでも十分おいしく、外食して「まったく食べられない」ということはほとんどありません。美容師も同じで、全体の平均点が上がったからこそ、唯一の正解を決めにくくなりました。
すきバサミを使うか、使わないか
美容師の間では、ときどき「すきバサミを使うべきか、使わないべきか」という議論が起きます。
僕は、道具だけで正解と不正解を決める必要はないと思っています。すきバサミを使ってきれいに仕上げる人もいれば、使わずに美しい形を作る人もいます。大切なのは、その人の考え方と経験の中で技術が成立し、目の前のお客様が扱いやすくなることです。
技術は、手順だけでなく価値観になってきた
技術の差がなくなったというより、技術が「手順」から「価値観」へ広がってきたのだと思います。
どの道具を使うか、どんな順番で切るかだけではありません。お客様の話をどう聞くか。どんな言葉なら安心してもらえるか。流行をどこまで取り入れ、毎日の扱いやすさをどこまで優先するか。そこまで含めて、美容師の技術です。
これは、ひとりサロンのコンセプトにもつながります。僕自身、最初は上質なカットやカラー、髪質改善のような「メニューの内容」を中心に考えていました。でも実際に選ばれた理由は、もっと相談しやすいことや、落ち着いて過ごせることでした。
詳しくはなぜひとりサロンなのかと、LINE限定のコンセプト記事にも書いています。
同じ技術でも、伝え方で受け取られ方が変わる
「すきバサミを使わないので、自然な毛流れを作れます」と伝える美容師もいます。「すきバサミを使い、毛量を均一に整えるので、家でもまとまりやすくなります」と伝える美容師もいます。
どちらが上かではなく、どんな理由でその方法を選び、どんなお客様に価値が届くかが大切です。自分の考えを言葉にすると、技術や接客に一貫性が生まれます。
自分の技術を信じることも、責任の一つ
技術を学び続けることは大前提です。そのうえで、お客様を担当するときには、自分の技術を信じる必要もあると思っています。
自分が信じていないものを勧めても、言葉は薄くなります。「僕はこういう理由で、この方法を選んでいます」と言える背景があれば、お客様も任せやすくなります。
その考え方が、ずっと変わらなくてもよいわけではありません。仕事を続ける中で、別の方法の方がよいと気づくこともあります。それはブレではなく、お客様のためのアップデートです。
技術の正解は、自分の中に置いていい
周囲の強い意見をすべて受け入れていると、自分が何を大切にしたいのか分からなくなります。学ぶべき意見は聞きながらも、すべてを正解として採用する必要はありません。
今の自分が信じられる技術と価値観で、お客様をきれいにする。そして、よりよい方法に気づいたら更新する。その積み重ねが、その美容師らしい技術になるのだと思います。
技術を、選ばれる理由へつなげる
コンセプト、メニュー、価格は別々ではありません。自分が大切にしている技術を、どんなお客様へ、どんな言葉で届けるかまで一緒に整理します。
店のコンセプトや伝え方を個別に整理したい方は、開業サポートもご覧ください。



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