開業スタイルとして「人を雇う」を選んだ場合、遅かれ早かれ必ず直面するのが採用の壁です。今はひとりサロンを選んでいるので採用の経験は少ないんですが、前のサロンで採用を担当していた時期があって、いかに採用が大変かは身をもって知っています。苦労もしましたし、その分、人と働く楽しさもちゃんと知っているつもりです。
採用は、集客よりずっと「読めない」
集客は、やり方次第である程度の成果が見込めます。でも採用は、正直「本当に読めない」ものです。時間をかけて育てたスタイリストが、ある日突然辞めていくこともあれば、求人を出しても応募がまったく来ないこともある。しかも美容師を目指す人自体が減っている今、採用は年々難しくなっている感覚があります。
SNSを見ていると、多店舗展開している経営者さんたちが、自分のお店の待遇の良さを一生懸命アピールしているのをよく見かけます。ああいう発信をしている理由のほとんどは、採用と教育のためだと僕は思っています。それくらい、採用というのは難しくて、経営者が常に頭を悩ませているものなんだと思います。
駅から離れると、採用は極端に難しくなる
集客に関して言えば、駅から少し離れた場所でも、車で来てくれるお客様を想定すればうまくいくケースは多いです。でも、採用となると話は別で、駅から離れれば離れるほど、極端に難しくなるというのが僕の実感です。
その場所に通える美容師免許を持った人が、そもそもどれくらいいるのか。車通勤が前提になるなら、スタッフ分の駐車場をどう確保するのか。集客なら成立するロジックが、採用に関してはそのまま当てはまりません。このサイトでは、人を雇う経営についてはあまり大きく扱っていないんですが、採用がいかに難しいものかは、ここでしっかり伝えておきたいと思っています。
一人が抜けたときの負担を、先に計算しておく
たとえば駅前で家賃50万円の物件を、5人体制でスタートしたとします。単純計算で一人あたりの家賃負担は10万円ですが、もし3人辞めてしまったら、残った2人で50万円を負担することになります。人を雇うということは、こういうリスクとセットだということを、契約前にちゃんとイメージしておいた方がいいです。
信頼していたスタッフが独立していったり、時には店長がお客様やスタッフを連れて出ていってしまうようなケースもあります。人と一緒に働くことには大きなやりがいがある一方で、こういう現実的なリスクも背負うことになります。

「お店を作れば来てくれる」は、正直かなり甘い
「とりあえずお店を作れば、スタッフは来てくれるだろう」くらいの軽い感覚でいるなら、それはかなり甘いと思っています。「今のお店から仲の良い2人が一緒に来てくれるから、それで一緒にやろう」というくらいの考え方も、正直激甘です。
人を雇うというのは、その人たちの人生をこれから背負っていく覚悟を持つことです。しかも、自分にどれだけ覚悟があっても、相手が急にいなくなってしまうかもしれない、というもう一つの覚悟も同時に持たなければいけません。決して楽なことではありません。
それでも、業界を変えるのは、人を雇うお店
ここまで採用の大変さばかり話してきましたが、一方でこうも思っています。業界全体を変えていくような大きなインパクトを生み出すのは、いつの時代も、人を雇って、育てて、規模を大きくしてきたお店だということです。
僕自身は、そこまでの規模のお店を作るという選択肢は取りませんでした。採用というリスクを引き受けてでもチームでやりたいのか、それともそのリスクを避けて一人で経営の自由度を取るのか。これは、どちらが正解ということではなく、自分がどんなお店を作りたいかという価値観の問題だと思っています。人を雇う前に、この採用の現実だけは、一度しっかり頭に入れておいてほしいです。

「採用するかどうかまだ迷っている」という段階でも、一度相談してもらえれば、僕の経験の範囲でお話しすることもできます。
採用の話、ひとりサロン部でリアルな実情をもっと話してます。



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