単価を上げたら、もっと難しい技術や、手の込んだデザインを求められると思っていました。
でも実際に多かったのは、「普通の髪型を、安心してきれいにしてほしい」という要望でした。
世の中には、僕よりはるかに高い単価で仕事をしている美容師さんがたくさんいます。だから自分を「超高単価の美容師」と呼ぶのは少し違う気がします。
それでも一般的な感覚で見れば、「少し高めの美容室」には入ると思います。開業前のカット料金は5,970円。そこから独立時に8,800円を掲げ、現在はカットとトリートメントで11,300円ほどです。
価格を上げる前は、高い料金をいただくなら、すごいデザインを作り続けなければいけないと思っていました。ところが、実際に働いてみると少し違ったんです。
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高単価のお客様が求めていたのは、意外なほどベーシックだった
よく求められるのは、ベーシックなボブ、形のきれいなショート、自然なダークブラウンのカラー。SNSで目を引くような特殊なデザインや、毎回大きく印象を変えるスタイルばかりではありません。
もちろん、美容師としては細かく考えています。どこに重さを残すか、どの角度で切るか、カラーをどんな配合にするか、髪の状態に合わせて何を補うか。一見普通に見える髪型でも、裏側ではかなり多くの判断をしています。
でも、お客様から「この薬剤を使って、この工程で施術してください」と指定されることは、ほとんどありません。
髪によさそう。きれいにまとまりそう。ツヤツヤになって、扱いやすくなったらうれしい。
求められていたのは、技術の名前ではなく、最終的にそう感じられることでした。
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